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ハリザッコは命の泉で生まれました。でも、いつの間にか黒く汚れた海に迷い込んでしまっていたのです。ハリザッコは思いました。もう一度あのきれいな命の泉に帰ろう。ハリザッコの旅が始まりました。


by harizakko
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続 神の国があったとさ

「ねえ,おじいさん,むかしの話し,もう少し聞きたいな。」
「いいとも,どんなお話がいいかの。」
「あのね,4人の神様のこと聞いてもいい?」
「いいとも,それでは,喜びの神ドーパの話しをしようかの。奴は,この国のものがうれしいとき,楽しいときにやってくる神じゃ。」
「ふうん」
「陽気な奴でな。いつも笑っているか歌を歌っているかどっちかじゃの。奴は,この国の一番の人気者じゃ。」
「どんなことをしてくれるの?」
「そうじゃな。うれしいことがあるとドーパがやってきて歌いながら幸せの粉をそらから降らしてくれるのじゃな。その粉に包まれるとうれしい気持ち,幸せな気持ちがますます増してくるのじゃ。」
「とってもいい神様ね。」
「じゃがの,あいつは調子が良すぎて,程度というものを知らん。いつだったか,あいつが幸せの粉をまきすぎて,仕事をしなくなる者が出たときがあったの・・。」
「じゃ,心配だね。」
「でも,よくできたものじゃ。あいつが来た後,必ずセレトがやってくる。」
「セレトって?」
「おや,言わんかったかの。落ち着きの神,セレトのことを・・。」
「うーん?。」
「まあ,よい。セレトは落ち着きの粉をまいて,心を静めてくれる神様じゃ。この国一番の人気者がドーパなら,一番信頼されている神がセレトじゃな。」
「この神様もいい神様ね。」
「そうじゃよ。セレトはドーパの後からだけでなく,ノルアや,アドレの後にもやってくる一番忙しい神様なのじゃ。喜びだけでなく,悲しみ,不安,恐れ・・どの感情も大きすぎてはやっていけないのじゃ。セレトは粉をまきながら,落ち着け,落ち着けっていってな,働き者なのじゃ。」
「へえ」
いつのまにか二人の耳にこんな声が聞こえてきました。
「おいらは,幸せ運ぶ神,ドーパ,♪どんどんドドンパどんどん。楽しいこと,うれしいことおいらにまかせな。ドーパどんどん♪」
「うわさをすればなんとかじゃ,ドーパがやってきたぞ。」
遠くのほうからあっという間にドーパの大きな体が目の前に現れました。
ドーパは笑いながら二人に声をかけました。
「おやおや,これはブレ・・おっとあぶない。じいさんとお嬢ちゃん。何をしているのかな。」
「おまえこそ,何をしているのじゃ。」
「いま,こちらのおじょうちゃんがうれしい気持ちになったようだからね。粉をまきにきたのさ」
 そういってドーパは「小さな幸せ,片手でいいかな」といいながら,右手を高く上げるとその手のひらからピンク色の粉が噴水のように一度空に向かってはらはらと雪のように降り注いできました。
「わあ,きれい」
女の子は幸せな気分に包まれました。
by harizakko | 2005-12-12 20:21 | 禁煙