禁煙に3つの壁あり
2005年 06月 14日
(慶応義塾大学医学部・小林紘一教授の話から)
<禁煙第1の壁>
禁煙初日・・体の中のニコチンが減ってくるため,イライラしたり,強い喫煙欲求が起こる。しかし,喫煙欲求は長くて3分で消えるので,熱めのシャワーを浴びる,ミント系のガムを噛む,冷たい水を飲む,軽めの運動をするといった,他の刺激により気分をそらす事が有効。
禁煙2日目・・血中ニコチン濃度が急激に下がるために,初日より強い喫煙欲求が生じる。この喫煙欲求は3日以内にピークを迎え,5日程でほとんどの人がその衝動が消える。3日目になると味や臭いに対する感覚が正常に戻り,食欲や味覚に大きな変化が見られる。
<禁煙第2の壁>
禁煙後1~2週間後は「安心期」と呼ばれる。気が緩んで油断しやすく,この時期に禁煙に失敗してしまう人が28%と,割合では最も多いという。脳の中で,ニコチンと結合していたアセチルコリン受容体が,アセチルコリンの刺激だけを求めるようにになるには,2~3週間かかる。そのため,まだ,脳の中ではニコチンを欲している。食事の摂りすぎは,覚醒度を低下させ喫煙欲求を起こしやすいので,食事は軽めにする。
<禁煙第3の壁>
禁煙後1ヶ月・・体がニコチンを求めなくなるが,喫煙していた時の行動記憶が,残っており,何かのきっかけでふと吸いたくなる時がある。この行動記憶を克服するには,毎日の移動手段を換える,食後早めに席を立つ,仕事のストレスを解消することが効果あり,生活パターンに変化をもたせるとよい。喫煙の行動記憶が消えるまでは,最低でも3ヶ月必要といわれるが,最初の1ヶ月を乗り越えると成功率はグンと高くなる。
禁煙は一度失敗しても諦めず,自分がなぜ禁煙に失敗したかを認識した上で,何度も挑戦してみることが大事である。禁煙によって現れる人体の影響や乗り越えるべき壁の存在をきちんと認識することで,タバコをやめることは可能なのだ。
つまり壁は3つ ①初日~5日 ②1~3週間 ③1ヶ月~3ヶ月
by harizakko
| 2005-06-14 13:40
| 禁煙