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ハリザッコは命の泉で生まれました。でも、いつの間にか黒く汚れた海に迷い込んでしまっていたのです。ハリザッコは思いました。もう一度あのきれいな命の泉に帰ろう。ハリザッコの旅が始まりました。


by harizakko

2005年 12月 13日 ( 1 )

神の国があったとさ 3

「ところで,セレトはどうしているか,知らんかの。」
ドーパに向かって老人がたずねました。
「いつもはおまえさんの後にやってくるじゃないか」
「ああ,セレトね。あいつは,すっかり怠け者になってしまって,まだ寝てるんじゃないかな。」
「なんじゃと,神の国にはあやつが必要じゃというのに・・」
「おれは,いそがしいんでね。また,来るよ」
そういって,ドーパは別の場所へ飛んでいった。
しばらく,考え込んでいた老人が
「セレトのところに行かねばなるまいて,」
そして
「おぬしもついてまいれ。」
女の子を抱き上げたと思ったら,空に高く飛び上がった。
「おじいさん,空が飛べるの?」
「そうじゃよ,セレトまで一直線じゃ」
「もしかして,おじいさん,何かの神様?」
「ホッホッホ,いい勘しておるの」

セレトは日の光をあびながら大地に寝転がってうつらうつらと眠っていた。
老人はそのそばに降り立ち
「セレトともあろうものが,なさけないことじゃ」
セレトはその声を聞くとびっくりして飛び起きた。
「あっ,申し訳ない。ブレ・・いや,じいさん。よその神がいたとき,仕事がなくてぶらぶらしていたら,なかなかもとにもどらないんだ。」
「ばかもの,おまえがしっかりしないとこの国はどうなると思う。他の神たちはもう仕事してるぞ。早くいけ!」
「わかったよ,じいさん。」
セレトは大急ぎで飛び立っていった。

ついでにおまえに,アドレとノルアの仕事を見せておかねばなるまいて・・。
「ねえ,どうしてなの,おじいさん。どうして私に4人の神様の仕事を見せるの?」

「ほっほっほ,今にわかる。」
老人は,再び空に飛び上がりアドレとノルアのところまで行き,神の仕事ぶりを女の子に見せたのだった。
by harizakko | 2005-12-13 20:46 | 短編小説